ハッブル宇宙望遠鏡のおかげで、色とりどりな新しい宇宙の写真を通して、クリスマスの気分にひたれますね。写真にうつっているガスのうず巻きは、あと2週間もすればクリスマスプレゼントのまわりに巻かれているような、宇宙のかがやくリボンのように見えます。今あなたの頭の中でイメージを裏返すと、巨大なサンタさんのイニシャル"S"のように見えます。
このすばらしい写真で実際に見ているのは、惑星状(わくせいじょう)星雲です。かがやくガスとチリの雲です。見て美しいだけでなく、かがやく構造は、将来の太陽系の中心にある太陽の将来をあらわしています。
約50億年後には、太陽は新しい次の段階に移ります。赤色巨星(せきしょくきょせい)期です。太陽は燃料が切れてくると、赤色巨星にふくらみ、今の何百倍もの大きさになります。このような巨大な大きさになると、ついには外側の部分を引きつけておくことができなくなって、ついには宇宙にふき飛ばしてしまいます。星から放出されたガスとチリは、みごとな星雲を形づくります。これが、この写真の中の惑星状星雲がどのようにして形づくられたかというようすです。
この写真にうつっている星雲の大きさを知るには、こう考えてみてください。小さな粒(つぶ)のように見えているものは、私たちの太陽系の大きさほどです。そして、星雲の中心にある星は地球の大きさとほぼ同じですが、それは写真の中心にわずかな光の点として見えています。それが、クリスマスプレゼントのようにガスとチリのリボンにつつまれているのが見えますか?
知っ得ダネ
クリスマスといえば、「キリスト誕生の話」として「ベツレヘムの星」のお話しを聞いたことがありますか?キリスト教徒は、それがイエス・キリストの誕生を予言する明るい天体だと信じています。あなたが宗教を信じているかどうかは別として、天文学者が、この聖書に登場するガイドの星が実際は何だったのかをつきとめたといったら、興味がわきませんか。それは木星と金星です。これらの惑星はどちらも、言い伝えにあるイエスの誕生の夜、中東で非常に明るくかがやいていたことでしょう。科学と宗教が仲が悪いなんて、だれが言ったのですか?
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