私たちの太陽系の天体のひとつ、準惑星(じゅんわくせい)マケマケには大気がないようです。言ってみれば、ツルツルの表面を持っています。マケマケは、自分の友だちである冥王星よりもさらに太陽から遠くにあるので、太陽の光はほんのわずかしか届きません。つまり、冷たい表面なのです。しかもよく反射するので、太陽の光をあまり取り込めません。その結果、大気は表面に凍り付き雲ができなくなります。
これまで冥王星は、太陽系の中で最も遠い惑星であるとされていて、準惑星という名前ができた2006年に、マケマケのような準惑星と同じ仲間に分類されました。準惑星は、基本的には惑星として分類するには小さすぎますが、まだ惑星のような球体であり、小惑星よりも大きいものです。近くの準惑星である冥王星についてはあまり分かっていませんし、マケマケについてもほとんど何も知りませんでした。天文学者たちは、この遠くの天体を研究するために、マケマケが遠くの星の前に移動して、その星を隠すのを待たなければなりませんでした。そう、待ち続けたのです。そしてようやく、忍耐(にんたい)はむくわれました。
マケマケが大気を持っていた場合、星はまず準惑星の大気によってゆっくりと暗くなり、その後準惑星にかくされます。地球上の夕日がしずむ時に、私たちの太陽系の中心の星である太陽が、水平線の下へ消えるとだんだんと暗くなるのと同じです。しかし、マケマケでは背景の遠くの星がとつぜん消えて、1分後に再びパッとあらわれました。これは、マケマケが大気を持たず、私たちが期待していたよりマケマケは冷たいということになります。地球の冬の北極よりもだんぜん寒いにちがいないのです。そして、大気があってもこおり付いて、地面に張り付いているのでしょう。
大気があることで、その惑星に住む宇宙人の姿がどんな風にちがうのかについては、次のページ「エイリアンをデザインしましょう」(英文になります)で学んでくださいね。
知っ得ダネ
マケマケのほかに、私たちの太陽系には、冥王星、ケレス、ハウメア、エリスの4つの準惑星が知られています。
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